概要
近年のライフサイエンス領域における研究対象は蛋白質、核酸のみならず、ウイルスや細胞、マイクロバイオームなどの複雑な生命体まで拡がり、現在では細胞・細菌を利用した医薬品開発なども積極的に行われております。動的かつ複雑な生命現象を用いた製品化を目指していく中で、生命現象の高度な理解、および理解に基づく制御は大きな課題とされています。
JSRは長年にわたり培った石油化学系事業、半導体事業における材料の制御を基盤技術としたライフサイエンス製品の研究開発を行ってきました。近年では、事業拡大を目的としたM&Aを行うことで手掛ける技術領域が拡大し、高分子化学から最先端医学を活用した複雑な細胞製品まで幅広いソリューションを提供することで、医学・医療の発展に貢献しています。
JSR・東京大学協創拠点CURIEでは、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻の生物物理学に関する学問領域とJSRのライフサイエンス・医療分野の研究開発力、事業経験とを融合することで、生命現象の数理学に基づく制御を行い、高品質・高機能な製品開発をしてゆくと同時に、新たな生命現象の発見を目指していきます。生物物理学の新たな視点を取り入れることによってOmics解析から得られる膨大なデータやバイオイメージングデータに新たな解釈を与え、理論に基づくイノベーションを起こしていきます。